私は子供の頃から「いじられ」やすい。
「いじられる」といえば聞こえが良いが、要は馬鹿にされているのである。
いつもニコニコした顔を作って、気弱そうな私をさげすむ人たちをやり過ごしてきた。
けれども、そろそろ、やめようと思って。
―― 私、こう見えましても……
―― 神さま
―― なんです!
「そう叫んで教室で刃物を振り回し始めたところを教師が取り押さえたという事です。」
「なぜ自分を神だなんて思い込んでしまったのでしょうか。」
「たかだか箱の中身が何だか読み取れるくらいでねぇ。」
「たかだか200キロ先の音が聞こえるくらいで。」
「たかだか水の上を歩けるくらい……」