中学時代に同じクラスになり、成人してまでも年に何回か会っていた友達が亡くなった。
葬儀の連絡も貰えず、私は彼女の夫を恨んだ。
焼香だけでもさせてもらおうと香典を持って訪ねたが、受け取ってもらえなかった。
「お声を掛けず申し訳ありませんでしたが、妻の遺言で、私と子供だけの家族葬で済ませました。妻の兄妹も列席していません。」
ご主人は、柔らかくそう語った。
遺灰は全て海に撒き、墓もないのだと言う。
「墓に死んだ人は居ないから入らないと申しまして……。変わった事で。本当に申し訳ありません。」
「では、私はこれからどうやって彼女の死を悼めばいいのでしょうか。」
思わず涙ぐんで愚痴ると、
「本当に妻に会いたいと思っていらっしゃいますか?」
と、何か手渡された。
「何ですか、これ。」
「番号札です。」
「あなたは21番です。今日から21日目に妻が会いに行くはずですので、楽しみにお待ちください。」
「取り消しはできないよ。」