お盆に入ってから、親友の息子が頻繁に枕元に立つの。
仲の良い親子だったし、私に何か言いたい事があるのは解るけれども、恐いからあまり立たないでほしいの。
大体、帰る家を間違えているよね。
あの人に、息子にここに来ないように頼んで貰わなくちゃ。
腹から響くような低い声で恨めし気に語りかけるのを止めさせてもらわなくちゃ。
「あの7月の日。お前の下手な運転で、母さんが道連れになった恨みは忘れない。」
揺れる切子提灯。
ああ、そうだ。
帰って来ているのは私の方だった。
5秒で読める世にも奇妙なショートショート小説。(ちょっとホラー)
お盆に入ってから、親友の息子が頻繁に枕元に立つの。
仲の良い親子だったし、私に何か言いたい事があるのは解るけれども、恐いからあまり立たないでほしいの。
大体、帰る家を間違えているよね。
あの人に、息子にここに来ないように頼んで貰わなくちゃ。
腹から響くような低い声で恨めし気に語りかけるのを止めさせてもらわなくちゃ。
「あの7月の日。お前の下手な運転で、母さんが道連れになった恨みは忘れない。」
揺れる切子提灯。
ああ、そうだ。
帰って来ているのは私の方だった。